【千葉・成田・八街】うっちカウンセリングルーム | 苦労と苦悩

2021/08/18
女性

「最近の若者は苦労を知らない」と言われるようになって久しい。苦労した経験がないから帰るということができない。だから他人の苦しみを理解したり共感したりすることもできないまま未熟なままの大人になっていくのだと。しかし、本当に現代の若者は苦労を知らないのであろうか。

それならばなぜ、不登校や引きこもり、フリーターの若者がこれほど増えているのだろうか。「苦労を知らないから、耐える力がないから、そんなことになっているんだ」と言われるかもしれない。もしそうだとしたら、もっと彼らに苦労させればいいのだろうか。

例えば、文明の力のない不憫な山の中で育てれば良いのか。親と引き離して早くから働かせる、畑仕事でも何でもいいから働かせたりスポーツで厳しく鍛えれば良いのか。

しかし、今更日本が戦争していた頃の教育や、貧しかった頃の生活を全ての若者に強制するのは現実問題として不可能である。だとしたら「最近の若者は苦労知らず」発言は単なる批判であって、何ら役に立たない愚痴になってしまう。

 

以前、私の所にカウンセリングを受けに来たある若者が、こういった。

「確かに僕は親が言うとおり、苦労はしていないんです。でも、孤独感や将来どうなっていくのか分からない不安に関しては人一倍悩んでいます。不安を感じると必ず胸が苦しくなってくるし、身体全体から力が抜けていく。食欲もなくなってしまう。こういうのは苦労とは言わないんですか」と。

つまり、彼は苦労していないかもしれないが、「苦悩」しているのである。それは「孤独感」と言い換えてもいいかもしれない。他人とうまく関われないという悩みと言い換えてもいい。「先行き不安な不透明感」、「空虚感」や「居場所のなさ」に彼は苦悩しているのだ。つまり、これが現代の若者の典型的な苦悩の内容である。これは日本の問題だけでなく、欧米などの先進諸国では皆同じことが言える。経済はかつて高度成長時代とは違う低成長の時代である。

 

戦後、日本が復興に向け頑張った、いわゆるもののない時代。当時の若者の夢は何だったのかと考えれば、冷蔵庫やクーラー、テレビなど電化製品や車を買うこと。その頂上にはマイホームを持つという夢があった。その夢を叶えるにはどうすればいいのか。一生懸命働くことである。とにかくがむしゃらに働けばよかった。それがやりがいであり、夢でもあった時代である。

 

でも、今は違う。確かに物質的に満たされている。しかし、逆に行きがいや夢を持って生きていくのがとても難しい時代である。最も、普通に明るく健全に暮らしている若者もいる。また周りに迷惑をかけているのに本人はまったく気がつかない若者もたくさんいる。あるいは自覚的に迷惑をかけている場合もある。

しかし明るく元気な若者は、ここに並べたような悩みをあえて感じないようにして生きている場合が多い。まわりに迷惑をかけている若者は、実はカウンセリングを受けにくる若者のように、自分の周りで日常起こる問題を自分の問題として苦悩する力がないとも言える。代わりに無意識のうちに「問題行動」として表現するのだ。薬物乱用に走ったり、公共施設や民家などを傷つけ暴れるなどもそうである。

 

現代の若者は、一昔前であれば中年期や更年期に悩みの種だった孤独感や将来への不安、人生の空しさに悩んだり苦悩したり、それらを無意識に感じながらも別の形でその苦悩を表現している場合が多い。年長者は、やみくもに若者批判をするのではなく、彼らをそのような理解ある目で見てあげれば、若者たちとの間に意味のある関わりを何ら持つことができないだろうし、若者自身もこのような視点で自分自身を理解しようとしなければ、ただわけもわからずにもがき続けることになる。



 

千葉・成田・茂原・八街・山武・東金・大網・富里・旭・いすみ・佐倉の

心理カウンセラー・心理カウンセリングならうっちカウンセリングルーム

 

千葉県山武郡九十九里町作田5023-2

TEL:080-7953-5915

営業時間:10:00~24:00

定休日:月曜日

https://ucchi-counseling-room.com/

当サイトは、千葉県の子育て支援事業(チーパススマイル)協賛店として登録されています。