【千葉・成田・八街】のカウンセリングより自分勝手の心理

2021/08/17
しずく

自分らしい自分になっていくプロセスのことを自己実現と言う。例えば、ミュージシャンになって有名になることが自己実現であるという若者もいるだろう。また、30歳前後の OL が自己実現のために、それまで勤めていた会社を辞めて、留学を志すということもある。さらにはそれまで子育てに専念する専業主婦だった女性が、自己実現のためにささやかなお店を始めたり、新しいことを習い始めたり資格を取ったりするという場合もある。あるいは世界一周旅行やヒマラヤ登山、極地探検、もしくは自転車や徒歩での長距離の旅、果ては出家して僧侶になる瞑想修行をするという人もいる。

 

この自己実現という考え方の基本には、「人間は大きな可能性や潜在力を秘めた存在であり、条件さえ整えばその可能性、潜在力は花開くのである」という発想がある。人間は成長し、変化することができる。さらにはカウンセリングや心理療法によってより素晴らしい生き方ができるようになれるという発想とも共通するものがある。

 

さらに自己実現という発想の裏には「どこかに理想の状態があるはずだ。その状態にたどり着けさえすれば自分は悩んだり苦しんだりすることなく生きていけるはずだ」という一種のユートピアを求める気持ちがあるといえる。

しかし、初めに挙げたような自己実現の試みには、必ず犠牲が伴うことになる。つまり、ミュージシャンになるために親の期待に背いたり、勉強するはずの時間を楽器の練習に回したりすることもある。留学の場合はお金や結婚生活が犠牲になる場合もある。

 

ここで少し整理するために、リスクと犠牲を分けて考えてみたい。つまりお金を失う可能性や、何か別のことが できたかもしれない貴重な時間を無駄にしてしまう可能性、試みが失敗に終わってそれまでの地位や安定した生活を失ってしまうという可能性は、リスクと言った方が正解である。一方、同じお金の損失にしても、それによって家族が生活の安定を脅かされたり、子供が求める教育を受ける機会を失ってしまうことになる可能性の場合は、単にリスクと呼ぶよりは誰かに寄生をしうる可能性といったほうがいい。さらにこの犠牲は将来そうなる可能性という不確定さだけでなく、現時点で確実に犠牲を強いることがある。

 

例えば、突然の脱サラをして家族で何か店を始めるというのは、家族の合意と協力があればいいとしても、家族を置いて世界一周旅行親極地探検、自転車による長距離旅行などは、本人にとってはいかに自己実現のための旅であっても、自己中心的な行動であると言わざるを得ない。ましてや家族や仕事を放り出して愛人と家でするなどは明らかに自己中心的な行動であり、それが現代社会において認められるような自己実現とはなりにくい。このように自己実現の中には、暗黙のうちに「社会にも受け入れられる形で」ということが含まれているはずである。

 

「いや自己実現というのはあくまでも自己の問題なので、社会は関係ないはずだ」という反論もあるだろう。しかし、私たちの「自己」は世界から切り離されているものではない。それは例えば、ある人が盗みや殺人などの犯罪を犯した場合、その犯罪が発覚しなくとも、犯人は意識、無意識のうちに罪悪感に苦しめられるか、家族関係や人間関係が歪みやすいとの同じことである。また、自己中心的な人は周りにも似たようなタイプの人が集まることになり、家族や親友との関係も利己主義の争いになってしまいがちなのである。言い方を変えれば、私たちは周りの否定的な評価を全く気にしないで平気で生きていけるほど強くも厚顔でもないということでもある。自己実現のために社会的な側面を無視した時は単なる自己中心的な行動になってしまい、結局のところ周囲の人はもちろん、本人さえも不幸にすることは難しい結末に終わる。

 

しかし、ことはそう簡単ではない。例えば自己実現の欲求を押し殺して、「仕方なく」子供の教育に全力を尽くすしてきた母親がいたとしよう。この場合、当然その母親は自分の子供を通じて自己実現しようとする。どういうことかといえば「息子にはこのようになってほしい。〇〇大学を出て、△△の仕事についてほしい」とか「娘は××な相手と結婚とさせたい」などがこの典型である。そうすると、この母親の自己実現欲求は時として子供に犠牲を強いることになるし、子供の側から考えれば、この母親の期待に背いて自分の希望する職業や結婚相手を選ぶのは、母親を苦しめる自己実現ということになってしまう。

 

このように周囲に犠牲を強いる形の自己実現の試みは望ましいとは言えないが、あえて比べるなら、自分がリスクを負う形の自己実現や親の期待に背くという形の自己実現の試みはあっていいとも言える。そして、子供を対象や犠牲にする自己実現は特に避けるべきだと考えるのがいいだろう。 

 

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